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2026年 6月号
身体の原則は変わらない — 橋谷圭伊子さんの新刊から考える、子どもの食環境
2026.06.08
身体の原則は変わらない——橋谷圭伊子さんの新刊から考える、子どもの食環境
がんコンベンションの司会を長年務められてきた橋谷圭伊子さんが、新刊を出版されました。
橋谷さんは正常分子栄養学の系譜に連なる栄養療法の実践家です。19年間、がん・糖尿病・アレルギー・不妊など、さまざまな疾患に向き合いながら体質改善の指導を続けてこられた方で、ご自身も2人の子を持つ母親でもあります。今回の著書は、その知識を子どもを持つ母親に向けて書き下ろした一冊です。
本の核心は明快です。「子どものイライラ・集中力のなさ・やる気の低下は、性格の問題ではなく身体の状態のサイン」。勉強しない、感情が不安定、起きられない——その背後にある栄養の話を、親が読んで使える形にまとめています。起立性調節障害と栄養の関係、思春期の女の子の鉄欠乏、不登校の背景にある身体の状態まで、ここまで踏み込んで書かれた本は多くありません。
◆ 栄養の原則は、年齢で変わらない
私がこの本に共鳴した理由を説明します。
タンパク質が土台であること。良質な脂質が脳の機能に直結すること。血糖値の乱れが感情の波をつくること。腸内環境が心の安定を支えること——これらは年齢を問わず、人間の生物学として変わりません。
橋谷さんが本の中で伝えていることも、この原則の上に立っています。書かれている栄養の話は、私がこのコミュニティでお伝えしてきた話と、根は一つです。
◆ 違うのは、食環境
では子どもの食事と、そうでない食事の何が違うのか。
生理学的な違いではありません。脂質を燃料にする代謝経路は幼い頃から備わっていて、タンパク質が神経伝達物質の原料になることも、年齢に関係なく起きる現象です。
違うのは、食環境のコントロールです。
自分で何を買い、いつ食べるかを決められる環境と、そうでない環境では、同じ原則をどう実践するかがまったく変わります。子どもは給食の内容も量も時間も選べない。部活があれば補食のタイミングまで制約される。日本の学校という場所は、設計上、グルコース前提で動いています。
その制約の中で何ができるか。橋谷さんが提案する「朝食で栄養の土台をつくる」は、子ども自身がコントロールできる、ほぼ唯一の食の選択です。
◆ この本が向いている方
お子さんやお孫さんのいる方で、「食事で何かしてあげたいが、何から始めればいいかわからない」という方に特にお勧めです。レシピ集ではなく、「なぜ食事が子どもの状態を変えるか」の仕組みが書かれているので、一度読めば応用が利きます。
橋谷さんの言葉を借りれば、「完璧にやろうとしなくていい」。この本を手に取ること自体が、子どもへの最初の一歩になります。
★子どもの未来は、今の食事で変わる。
集中力、やる気、成長、スポーツ、受験。
『子どもがぐんぐん伸びる食事の教科書』
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