Global Scan
2026年 8月号
「ココナッツミルクが善玉コレステロールを増やす?」 〜8週間の摂取で見えた、コレステロールへの変化〜
2026.08.01
今月のグローバルスキャンは 2013年に発表された論文を要約してお届けいたします。







参考文献
はじめに
脂っこい食事や不規則な生活、そしてストレスなどによって、私たちの体の中では、気づかないうちにコレステロールバランスの乱れが進んでいます。
こうした変化は、血液の状態を悪化させ、動脈硬化や心臓病といった生活習慣病につながる原因になることがあります。そのため、毎日の食事の中で、体の内側から健康を守る工夫が大切です。
近年では、植物由来の食品の力にも注目が集まっています。
そのひとつが、ココナッツミルクです。独自のタンパク質・食物繊維・脂肪酸を含むこの植物性ミルクには、コレステロールのバランスを整える可能性があるとして、研究が進められています。
そこで今回の研究では、ココナッツミルクを継続して摂取することで、血中コレステロールにどのような変化が生じるかを詳しく調べました。

どのような研究?
今回の研究はスリランカのラジャラタ医科大学の研究チームによって実施されました。
健康な成人60人(18〜57歳)を対象とし、ココナッツミルクを使ったお粥(200mL)を週5日、8週間にわたって摂取してもらいました。

摂取の前後で血液を採取し、下記の2点を測定しました。
①善玉コレステロール(HDL)の量
血液の中に含まれる善玉コレステロール(HDL)の量を測定しました。(単位:mg/dL)

②悪玉コレステロール(LDL)の量
血液の中に含まれる悪玉コレステロール(LDL)の量を測定しました。(単位:mg/dL)

研究の結果
①善玉コレステロール(HDL)の変化
8週間のココナッツミルク摂取後、善玉コレステロール(HDL)は平均43.1 mg/dL から 52.7 mg/dL へと、約9.6 mg/dL 上昇しました。
この結果から、ココナッツミルクには善玉コレステロールを増やす可能性があることが示唆されました。(グラフ1)

②悪玉コレステロール(LDL)の変化
注目すべきは、元々LDLが高めだった方への変化です。
LDLが130 mg/dLを超えていた参加者(33人)に絞って分析したところ、8週間後に LDLが156.5 mg/dL から 138.6 mg/dL へと、約18 mg/dL 低下しました。
この結果から、ココナッツミルクには特にコレステロールが気になる方の悪玉コレステロールを下げる可能性があることが示唆されました。

さいごに
今回の研究から、ココナッツミルクには善玉コレステロール(HDL)を増やし、悪玉コレステロール(LDL)を減らす働きがある可能性が示唆されました。
毎日の食卓に、一杯のココナッツミルクを。体の中で働く小さな変化が、長い健康につながるかもしれません。
日々の食事の中で自然の恵みを活かした、やさしい健康習慣のひとつとして注目していきたいですね。
