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Global Scan 2026年 5月号

「日常の光と肌を考える」    ~トコトリエノールの可能性~

2026.04.01

参考文献


はじめに



私たちは日常生活の中で、紫外線だけでなく、スマートフォンやパソコンから発せられるブルーライトにも日常的にさらされています。こうした光が、肌にどのような影響を与えるのかについて、近年少しずつ研究が進んでいます。



そのような背景の中で注目されているのが、抗酸化作用をもつビタミンEの一種「トコトリエノール」です。


本研究では、トコトリエノールが肌に与える影響について、その可能性を詳しく検証しました。


どのような研究?

今回の研究は、カナダの大学・研究機関による共同研究として実施されました。

主に、Université de Sherbrooke、Université de Montréal、ならびにCRCHUM(モントリオール大学附属研究センター)の研究チームが中心となって行われました。※マウスの色素細胞(メラノサイト)を対象に実施されました。



細胞は、次の3つのグループに分けられました。



ブルーライトは約3時間照射されました。
そして、特に次の2つのポイントについて詳しく調べました。


① 細胞内の活性酸素量

ブルーライトによって細胞内にどれくらい活性酸素が発生するのかを調べました。
活性酸素は、細胞内で酸化ストレスが高まっているかどうかを示す指標のひとつです。
研究では、蛍光試薬(DCFDA)を用いて、細胞内に発生した活性酸素を可視化しました。
活性酸素が多いほど、緑色の蛍光が強くなります。

その蛍光の強さを測定し、細胞Aの通常状態を100%として、各グループの値を比較しました。


② メラニン量の変化

細胞内で生成されたメラニンの量を測定しました。
メラニンは、皮膚の色素のもととなる物質で、外的刺激によって増加することがあります。
研究では、ブルーライト照射後の細胞内に含まれるメラニン量を定量的に測定しました。
メラニン量は、細胞Aの通常状態を100%とした相対値(%)で表示されており、各グループの値を比較しました。


研究の結果

① 細胞内の活性酸素量

ブルーライトを照射した細胞Bでは、通常状態の細胞と比べて活性酸素量が大きく増加しました。
しかし、トコトリエノールを添加した細胞Cでは、この活性酸素量の増加が抑えられる傾向が見られました。
この結果から、トコトリエノールはブルーライトによって生じる活性酸素の増加を抑える可能性が示唆されました。


② メラニン量の変化

ブルーライトを照射した細胞Bでは、通常状態の細胞と比べてメラニン量が増加しました。
一方で、トコトリエノールを添加した細胞Cでは、このメラニン量の増加が抑えられる傾向が見られました。
この結果から、トコトリエノールはブルーライトによって起こるメラニン生成の増加を抑える可能性が示唆されました。


さいごに

今回の研究では、トコトリエノールがブルーライトによって引き起こされる活性酸素の増加や、メラニン生成の増加を抑える可能性が示唆されました。

ブルーライトは、スマートフォンやパソコンなどの画面からも発せられており、私たちの日常生活の中で身近な存在となっています。

トコトリエノールを日常的に取り入れることで、こうした外的な刺激による肌への影響をやわらげる可能性があるのかもしれません。