ホエイプロテインの効能 ~体脂肪減少との関連性について~
2024年3月
世界各地から発信される最新の研究報告をお伝えします
今月のグローバルスキャンは2022年12月に発表された論文を要約してお届けいたします。
はじめに
日本では新生児の平均出生体重は減少傾向、また低出生体重児(出生体重が2,500g未満の赤ちゃん)の出生率は減少していない状況が続いています。
低出生体重児は成人になると、一般的に肥満や糖尿病などの疾患を発症しやすいことが知られています。
胎児が子宮内で栄養不良になると、出生後には栄養を過剰摂取しやすくなるため、幼少期の栄養管理が非常に重要です。
そこで、今回注目したのは糖尿病やメタボリックシンドロームを未然に防ぐ可能性のある「ホエイプロテイン」です。
ホエイプロテインには抗炎症作用や抗酸化作用、そして健康な筋肉を発達させる作用などがあります。
本研究では、胎児期からの栄養摂取と乳児期からのホエイプロテイン摂取が、脂質代謝や体脂肪に与える影響を調査しました。
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どのような研究?
今回の研究は日本大学医学部附属板橋病院の協力を得て、計12週間にわたり実施されました。
対象は出生体重が基準値内の雄マウス12匹とし、ランダムに2つのグループに分けられました。(図1参照)
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どちらのグループのマウスも胎児期間中は、親マウスが妊娠中にそれぞれ対象の飼料を摂取しました。
また評価基準として、①体脂肪、②インスリン抵抗性、③PPARα(ピーピーエイアールアルファ)の3項目を試験後に測定しました。
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試験の結果
①体脂肪
ホエイプロテインを摂取したグループBにおける体脂肪量は、グループAよりも顕著に低い数値となりました。
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②インスリン抵抗性
インスリン抵抗性においても、ホエイプロテインを摂取したグループBの数値は有意に軽減されました。 (表2参照)
③PPARα
PPARαについては、ホエイプロテインを摂取したグループBでより高い数値が確認されました。
さいごに
胎児期の栄養摂取や乳児期からのホエイプロテインの摂取は、脂質代謝を活発にすることでインスリン抵抗性を軽減し、体脂肪や中性脂肪の減少につながる可能性があります。
このメカニズムは、脂肪酸が体内でエネルギーに変換されるプロセスが関係していると考えられますが、結論を導くには今後より大規模な研究が必要です。
参考文献:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10223508/
訳:Nanami Hamashita