クルクミンの効能 ~認知障害を軽減する可能性~
2024年6月
世界各地から発信される最新の研究報告をお伝えします
今月のグローバルスキャンは2021年7月に発表された論文を要約してお届けいたします。
はじめに
化学療法は過去数十年間で、がん治療における生存率を大幅に向上させてきました。
しかし、その一方で化学療法はがん細胞だけではなく、健康な細胞にも影響を及ぼすため、脳の機能に障害を与えて認知障害を引き起こす可能性が考えられています。
今回着目したのは、抗炎症・抗酸化作用のあるポリフェノールの一種であり、ウコンの根茎から抽出される天然成分である「クルクミン」です。
-1-1024x368.png)
どのような研究?
本研究ではクルクミンが神経細胞を保護する可能性を考慮し、認知障害を軽減するかどうかを調査しました。
今回の研究は中国にある華僑大学の協力の元、計30日間にわたり実施され、雄のマウス45匹を対象として下記のようにグループ分けを行いました。 (図1参照)
-1024x592.png)
-1024x181.png)
評価項目として、➀DCX陽性細胞の数、②脳の記憶や学習を司る海馬(かいば)の樹状突起スパイン密度を計測しました。
試験の結果
➀DCX陽性細胞の数
-1024x214.png)
-1024x215.png)
クルクミンを摂取したグループCにおける結果は、摂取していないグループBと比較すると有意に高い数値を示しました。
(表1参照)
-577x1024.png)
②海馬の樹状突起スパイン密度
クルクミンを摂取したグループCにおける樹状突起スパイン密度は有意に高く、認知障害を誘発していないグループAと同等の数値が算出されました。
(表2参照)
さいごに
今回の研究結果として、クルクミンがシスプラチンによって誘発された認知機能障害を軽減し、保護する可能性が示唆されました。
今後、この新しいアプローチを化学療法の副作用軽減のために検討するには、より大規模な研究が必要になるでしょう。
参考文献:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0969996119303900?via%3Dihub
訳:Nanami Hamashita